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2017年11月24日 高校生活も終わりに差し掛かり始めた。

 

人生で初めて1日中眠りにつくことなく1日を終えた。

 

24日になったすぐは大好きなアイドルの誕生日で、喜んでお祝いをした。

 

夜が明けて朝が来る頃、大好きなアイドルの誕生日のはずなのに高揚感ではない何かに襲われ、心臓が妙な音を立て、目を閉じて見えたのは明るい未来ではなかった。

 

何故か眠ることができず深夜の3時ごろまで勉強をして、数式で埋め尽くされた頭のまま入る布団は冷たかった。

 

 

特にすることもなく、知人のSNSを辿り、流行りのどうぶつの森をしていた。服を買って、どうぶつに果物をあげる。

 

 

それでも全く眠ることができずぼんやりとツイッターと、黄色いアイコンにブックマークしている先輩のブログを読んでいた。ただ理解はせずに、眺めていた。

 

 

新聞配達の音が遠くの方から聞こえ、早朝4時半ごろ、未だに甲斐性もなく今度は先輩のツイッターを見ていた。

 

 

なんとなく飛んだリンク先に先輩の彼女のものだと思われるページがあった。先輩が数日前にあげていた手作りの可愛らしいハンバーグはどうやら彼女をお祝いしたものだったらしい。

 

 

先輩は数年前に徳島を離れてしまい、彼女さんは転勤先で知り合ったらしい。

 

転勤先で知り合ったということは確実にわたしの方が前から好きだった、と言うことは明確やけど今更遅い。

 

 

そこから先は更に喪失感に襲われ時間の経過をよく覚えていない。

 

起きて来たであろう友達からきたLINEを見て、これは夢ではなく現実だと気付いた。

 

 

先輩に彼女がいる夢はよく見たし、最近であれば昔付き合っていた彼女の話もよく聞いた。

 

 

でも少なくとも、わたしの夢の中の先輩はいつもわたしを助けてくれていたのである。

 

 

彼女がいたからハイそうですかとテストに挑めるモチベーションもなく、あれだけ覚えた数式も全部どうでもよくなった。

 

 

 

わたしが高校生活全てをかけてしてきた片想いは、SNSからと言う人情味のない形であっけなく終了したのである。

 

 

 

起床する時間になっても起きてこないわたしを不思議に思ったであろう母が部屋に起こしにきて、そのままフラつく足取りで風呂場へ向かった。

 

1日起きていたはずなのに声が思うように出なかった。

 

寝ていたわけではないのでおはようと言う言葉もしっくりこないままシャワーの蛇口をひねった。

 

 

水が身体に当たると、お湯の温度ではない何かが自分の頬を伝っているのが分かった。

 

 

知人Aの言葉を借りれば、そんな男はやめておいて正解だったのかもしれない。よく冷静になって考えてみればずっと彼女がいないとダメなタイプなのかもしれない。

 

 

 

一緒に過ごしたのは1年間で、わたしだけが追いかけていたのは2年間。

 

 

過去にすがりついたまま離れなかったのはわたしだったのかもしれない。

 

3年も生活していればわたしにも彼氏がいた時期はあり、今思えば先輩だけではなかったのかもしれない。

 

 

 

 

それでも、3年間片想いし続けていた人に彼女が出来たと言うのはとても悲しかった。

 

自分が付き合えるなんて言うのは思っていなかったけれど、どこかでどうにかなったら良いなと思う、情けないわたしが存在していたから。

 

 

虚ろな足取りのまま赤い椅子の汽車に乗り、わたしは何事もなかったかのようにテストを受けた。

 

 

友達に相談してもそんなに大事としては受け止められなかった。結局は側から見ればその程度だった。

 

 

 

わたしが追いかけていた先輩は、先輩ではなく先輩の偶像に過ぎなかったのかもしれない。

 

 

でもわたしたがステージ上で見た先輩も、擦り切れるほど聴いたCDも、決して偶像ではない。

 

 

わたしが先輩を好きだった3年間は確かにここにあって、絶対になくならない。

 

 

 

 

 

なんともあっけない形で終わってしまったのが言葉にならないけれど、現実を譲歩できないわたしにはこうやって誰の目にも止まらない文に起こすのが精一杯だった。

 

 

 

 

テストが終わっても眠気がくることもなく、ぼんやりと晩御飯を喉の奥に押し込んだ。

 

 

 

ふとツイッターを開けば、チャットモンチー解散の文字が目に飛び込んで来た。

 

 

 

 

 

今日は寝ていない。寝て目が冷めれば、チャットモンチーも先輩もいつも通りなのでは?

 

起きたら忘れてるくらい、美味しいご飯が食べたい。理不尽でムカつく話でも納得してみたい。

 

 

 

 

 

わたしが10年近く聴き込んだバンドの解散、1番大好きだったバンドの解散。

 

 

 

 

今日だけは先輩のことを考えながらチャットモンチーを聴きながら寝ようと思っていたわたしの最後の砦が崩される。

 

 

わたしの青春が、わたしの10代が終わる音が聴こえた。

 

 

18歳はもう子どもではないのである。

 

 

 

大人にも子どもにもなりきれない私たちが向かうのはどこ?

 

 

答えは見つかりそうになかった。

 

 

 

2017年 11月24日、眠りにつかなかったわたしを恨んだ。

 

数学の公式、先輩、先輩の彼女、チャットモンチー、大好きなアイドルの誕生日。

 

 

 

わたしは元から手になかった全てを失い、こぼれ落ちる何かを必死に拾い続けた。

 

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